About me
岩尾俊兵(いわお しゅんぺい、Shumpei Iwao)
経営学者、慶應義塾大学商学部准教授
東京大学博士(経営学)
専門分野:ビジネスモデル、事業創造、イノベーション、生産マネジメント、技術経営、経営科学
経歴
平成元年佐賀県生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、東京大学大学院経済学研究科マネジメント専攻博士課程修了。2018年に東京大学創設以来初となる博士(経営学)号を取得し、同年より明治学院大学経済学部に専任講師として着任、同時に東京大学大学院情報理工学系研究科でも客員・非常勤として講義を開講、2021年より慶應義塾大学商学部専任講師、2022年より准教授。
※より詳しい経歴はこちらのPandoページにございます。
受賞:
第73回義塾賞
第37回組織学会高宮賞著書部門
第36回組織学会高宮賞論文部門
第22回日本生産管理学会・学会賞理論書部門
第4回表現者賞
社会貢献活動:
株式会社ドリーム・アーツ 社外取締役
CHFホールディングス株式会社 社外監査役
一般社団法人日本生産管理学会理事
研究
日本のものづくりについての研究から出発し、今ではイノベーションに関連する様々な研究課題に取り組んでいます。イノベーションを促進する組織のあり方とはどのようなものか?イノベーションを促進するためにはどのような要素が必要なのか?そもそもイノベーションとは何を指すのか?など、イノベーションにまつわる世の中の不思議を実証分析・コンピュータシミュレーション・数理モデル等を用いて明らかにすることを目的としています。
同時に、日本のものづくりの底力がどのような条件の下で発揮されるのか、生産管理を大きな技術革新につなげるには何が必要なのかについても引き続き研究しています。
さらに、研究で得られた知見(ものづくり設計理論とグラフ理論と会計学の統合)を製品イノベーション・工程イノベーション・市場創造イノベーション・新材料開発イノベーション・新組織設計イノベーションの全てを横断して適用することで、(数十年かかると思いますが)経営全般を統一的に議論できる理論を構築できるのではないかと考えています*。
*ある期間のイノベーションという時間的・場所的限定がつくためにR. K. Mertonの社会科学一般理論不可能性論を克服できる可能性がある。ただし、その場合、Merton流の一般理論を目指しているわけではないという注釈がつく。
論文・著書詳細はhttps://researchmap.jp/iwaoshumpei/
被引用状況はhttps://scholar.google.co.jp/citations?user=yRVmvGAAAAAJ&hl=ja
これまでの共同研究実績
1.マルチエージェントシステム(分散人工知能・人工社会)による社会実験
→「どうしたらブランドを流行らせることができるのか?」「社内の交流を促進するには何をすればよいか?」「効率的なチラシの配り方はどのようなものか?」といった人間の集団に対しての疑問に、仮想的な社会での実験を用いてアプローチします。シミュレーションの様子はこちらの動画でも解説しております。シミュレーションを活用した研究によって2020年に組織学会高宮賞を受賞しました。
2.戦略ゲーミング研究・戦略ボードゲーム研究
→中堅社員の戦略策定能力の向上、新入社員研修、採用活動、インターンシップ等で使用するボードゲームの考案を行っています。ボードゲームで遊びながら自然と戦略的思考力が身に付き、古典的な経営戦略の理論を学ぶことができます。さらに、ボードゲームを使用する前後の人的資源データ分析も行います。
3.有効な監査役・監査役会の組織設計に関しての社会実験的研究
→日本独自の制度ともいわれる監査役会について、適度な自由度を保ちながらも不正の発生確率を抑制する監査のあり方を、組織論を用いたコンピュータ・シミュレーションを行い検討します。実証結果を企業に対してフィードバックし、新しい組織設計の枠組みを検討します。
4.社会科学文学
→「社会科学文学」を掲げ、社会科学のアイデア(オリジナルのアイデアもあれば、古典の再解釈の場合もあります)を小説や評論という形で発表する活動もおこなっています。社会科学には面白い理論や社会に必要とされる(と自分は確信する)理論があっても、データが制約され公表ができないことがあります。しかし小説にはこれが可能だという強みがあります。そのため、研究と文学が揃ったとき真に社会に対して貢献できると考えています。※2019年に群像新人評論賞最終候補(当選作・優秀作なし)、2022年表現者賞。
5.ビジネスモデル囲碁・価値創造三種の神器を用いた新規事業創造支援
→社会に新たな価値を提供するビジネスモデルを考案するための思考モデルを提供しています。具体的には、ブルーオーシャンやホワイトスペースと呼ばれるビジネス領域を囲碁のようなワークショップを使って発見する「ビジネスモデル囲碁」、思いついたビジネスモデルを実現するために様々な対立を解消し問題を解決していくための「価値創造三種の神器」を使って、新規事業創造が可能となります。※2023年10月には東証プライム上場企業株式会社ADワークスグループ様と共同研究を開始しました。
Shumpei
IWAO